千秋くん、優しくしないでください!!

朝の日課

 「咲ー、もう行かないとじゃないー?」
ハッ!
下の階からお母さんの声が聞こえてきて、私は現実の世界に引き戻された。
あ、危なかった。
お母さんが言ってくれなかったら、このまま時間を忘れて、本に夢中になってたところだ。

って今何時!?
時計を急いで確認すると、もう時計の針は7時五分を指していた。
「ヤバっ、もう出なきゃ!」

私の家は、学校から近いんだけど、幼なじみで親友の楓を起こさなきゃならないから、これぐらいに出ないと間に合わない。
学校のカバンを持って階段を駆け降りる。
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