今でもこんなに好きで悪かったな
なんで私が…
全く…何故、用務員の私まで修学旅行に参加しないといけないのか。
内心毒づきながらも、遊覧船から色づく山々を眺めていると、ささくれた心も癒やされてゆく。
集団から少し離れたところでぼんやりしながら、小さく口笛を吹いていたところ、
「カンコさぁ、その曲って“目をとじて小旅行”だろ?渋すぎじゃね?」
どこか人をおちょくるような声に振り向くと、そこには養護教諭の日向が居た。
日向は、なかなかレアな男性の養護教諭である。
私たちの勤務する小学校は、人数が多いため、養護教諭も二人体制だ。
人数もそうだが、最近はLGBTQの問題などもあるし、養護教諭が男女両方居るのはいいことだと思う。
しかし私は、この日向という男には、何かと複雑で微妙な思いがある。
「アンタねぇ、ちゃんと向こうで子供たちを見てなさいよ。今日は“彼女”が居ないのをいいことに、私のところに近づいたりして…高学年の女子なんてね、そういうことに目聡いんだから」
内心毒づきながらも、遊覧船から色づく山々を眺めていると、ささくれた心も癒やされてゆく。
集団から少し離れたところでぼんやりしながら、小さく口笛を吹いていたところ、
「カンコさぁ、その曲って“目をとじて小旅行”だろ?渋すぎじゃね?」
どこか人をおちょくるような声に振り向くと、そこには養護教諭の日向が居た。
日向は、なかなかレアな男性の養護教諭である。
私たちの勤務する小学校は、人数が多いため、養護教諭も二人体制だ。
人数もそうだが、最近はLGBTQの問題などもあるし、養護教諭が男女両方居るのはいいことだと思う。
しかし私は、この日向という男には、何かと複雑で微妙な思いがある。
「アンタねぇ、ちゃんと向こうで子供たちを見てなさいよ。今日は“彼女”が居ないのをいいことに、私のところに近づいたりして…高学年の女子なんてね、そういうことに目聡いんだから」
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