幼なじみが犬になったら、モテ期がきたので抵抗します!
「うん?」
 力の方向に目をやると、岩がわたしの着物の袖を飲み込んでいた。

「ひぁああ……っ」
 今度は心霊現象!?

『……何だこの磁場の崩れは?』
 龍が顔をあげ、周囲を見回し始める。

 龍にとっても予想外の何かが起こっているということは分かった。
 とのっぴきならない要素に囲まれていて、わたしの頭は混乱していた。

 そして、そうこうしているうちに、ぐいん、と、ひと際強い力で着物の裾を引かれたかと思うと――――

 ぱっくり、とわたしは完全に岩に食べられてしまった。
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