幼なじみが犬になったら、モテ期がきたので抵抗します!
●リセットボタン、ください
朝ごはんを食べて、身支度を整えていたら、インターフォンが鳴った。
「ミサ~まほりちゃんが来てるわよ~」
戸口に出たお母さんから声がかかる。
あれ?今日約束していたっけ、と頭に疑問符が浮かぶ。
まほりは補習ないんじゃなかった?
ああ、部活があるからかな?
そう思いながら、玄関に出て、わたしは現実に打ちのめされた。
「おはよーミサー!」
『はよーミサキ!』
両手に本のいっぱい詰め込まれた手提げを持つまほりと、足元の白い犬。
しかもその犬はしゃべると来ている。
「二人とも、おはよ。はあー……」
一晩寝てすっかり忘れていた現実が、目の前にばんっと突きつけられた感じがする。
見なかったことにしようと、わたしはドアを閉める、が。
がっと僅かな間にまほりが足を挟み、閉めそこなう。
「まほり、邪魔しないで……!」
「ミサ。ゲームじゃないから、リセットはないんだよ。オートセーブ機能付いてるんだよ?これがミサの現実」
そしてむやみに優しい顔で諭されてしまう。
「わたしの現実……」
「それはともかく、魔法についての本、いっぱい持ってきたから、昼休み研究しようね!」
語尾にハートマークが付きそうなくらいうきうき調子で、まほりは言う。
寧ろその高いテンションに気が引けてくる。
「りょーかい……。カバン取って来るから待ってて」
去り際、ドアの合間から幸太郎を見る。
そうすると、気づいた幸太郎が見上げてくる。
『ん?何だよ、ミサキ』
今朝の夢を何となく思い出していた。
そういえば、出会った頃の幸太郎って、あんな感じだったんだよね。
良く笑って、目が明るく光って、いつも楽しそう。
今とそう変わってないのかもしれない。
いやいや、犬だし、変わってるか。
「何でもない。取ってくるね」
「ミサ~まほりちゃんが来てるわよ~」
戸口に出たお母さんから声がかかる。
あれ?今日約束していたっけ、と頭に疑問符が浮かぶ。
まほりは補習ないんじゃなかった?
ああ、部活があるからかな?
そう思いながら、玄関に出て、わたしは現実に打ちのめされた。
「おはよーミサー!」
『はよーミサキ!』
両手に本のいっぱい詰め込まれた手提げを持つまほりと、足元の白い犬。
しかもその犬はしゃべると来ている。
「二人とも、おはよ。はあー……」
一晩寝てすっかり忘れていた現実が、目の前にばんっと突きつけられた感じがする。
見なかったことにしようと、わたしはドアを閉める、が。
がっと僅かな間にまほりが足を挟み、閉めそこなう。
「まほり、邪魔しないで……!」
「ミサ。ゲームじゃないから、リセットはないんだよ。オートセーブ機能付いてるんだよ?これがミサの現実」
そしてむやみに優しい顔で諭されてしまう。
「わたしの現実……」
「それはともかく、魔法についての本、いっぱい持ってきたから、昼休み研究しようね!」
語尾にハートマークが付きそうなくらいうきうき調子で、まほりは言う。
寧ろその高いテンションに気が引けてくる。
「りょーかい……。カバン取って来るから待ってて」
去り際、ドアの合間から幸太郎を見る。
そうすると、気づいた幸太郎が見上げてくる。
『ん?何だよ、ミサキ』
今朝の夢を何となく思い出していた。
そういえば、出会った頃の幸太郎って、あんな感じだったんだよね。
良く笑って、目が明るく光って、いつも楽しそう。
今とそう変わってないのかもしれない。
いやいや、犬だし、変わってるか。
「何でもない。取ってくるね」