幼なじみが犬になったら、モテ期がきたので抵抗します!
「挑戦も結構だけど……。その前に、横堀には俺と闘ってもらおうかな」
「はい?闘う?」

「昨晩の屈辱忘れはしないよ。不意打ちとはいえ、この俺が背を床につける羽目になるとは思わなかった」
「あ、あれは悪かったと思ってるよ」

「それだけじゃない。意識をして見てみれば、横堀の傍にはいつも髪質のいい女の子達が集まっている。盲点だったと思ってね。俺が学園の帝王に君臨するには、横堀、君を倒さないといけないようだ」
「……」

 理解が出来ない。
 言いたいことはこれっぽっちも理解できないけれど、穂波君がこの世界でもやっぱり変な人だということは十分に理解できた。

「勝手なことを言うな、穂波。横堀はこれから、僕と未知への探求をするのだ」
「安心していいよ、イッセイ。横堀を倒した後で、君も十分に伸してあげるから。君にも髪質の良い幼なじみがいるようだしね。君を伸した後で、存分にヘアアレンジをさせてもらうことにするよ」

 そのとき、目の端にちらちらと何か見えた。
 よく見てみると、まほりが片手を振って、もう一方の手で近くの地面を示している。

 その地面だけ色が違い、掘り返されたあとがあるのが遠目にも分かった。
 まさか……戸田さんは落とし穴の中に?
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