幼なじみが犬になったら、モテ期がきたので抵抗します!
『あいつ、中身乙女だもん。ミサキに弁当作ってあげたいけど、どんな具が良い?って俺は聞かれたことある。揚げ物くれとけば、喜ぶって言っといたけど』
 そう言いながら、幸太郎はわたしのお弁当の中からから揚げを弾き出して、食べる。揚げ物くれとけば喜ぶのは、幸太郎じゃんか、と思った。

「そんなのコータロー教えてくれなかったじゃん」
『な、何で俺がそんな協力するみたいなまねしなきゃなんねーの!』
「言っといてくれてもいいじゃん。幼なじみなんだし」
『な、ミサキ、カズシのこと好きなのか?ドッグブルーのこと覚えてねーのに?』
「何言ってるの、コータロー?」
 どうも会話がかみ合ってない気がする。

「コータロー君はミサのことになると、レーダーびんびんだもんね~」
『し、椎名!』
「このまま犬だと色んな意味で、危険な信号びんびんだけどねー」
『だよなー』
「何それ?まあいいや。でも、さっきまほり言ってたでしょ、おまじない効いたのかなって。なのになんで魔法が解けても元通りじゃないって思うの?」

「わお。今までの流れぶった切ったね。あれはね、穂波君側の問題じゃなくて、ミサの問題だと思うんだ」
「わたしの?」
「穂波君がミサのことを元々好きだとしても、ミサが気づかなければモテているって状況にならないでしょ?だから、おまじないはミサに気づかせるように働いたんだと思う」

 まほりはふりかけご飯をもぐもぐ口に入れながら説明してくれる。
 話しながら良く食べれるなあと感心する。
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