俺さま御曹司元カレと強引な後輩くんのダブル溺愛に困っています。
俺たちもコーヒーを飲んでいきましょうと言う、呑気な彼を急き立て、とりあえず今日の目的である初詣を済ませることにする。
「遅くなっちゃうからね」
「すみません」
「もう謝らなくていいよ。事情がわかったから」
平日ほどではないが空いているとはいえない地下鉄に乗る。和装の黒崎くんは電車の中で目立つようで、やたらと視線を感じる。
「きみ、目立つみたいね」
「最近は着物姿の人が少ないから」
彼の言うとおりだ。和服の男性などお正月でも滅多に見かけたことはないけど、着物姿の女性だってめっきり減ってしまった。かく言うわたしも、コートとスカートに真新しいハイヒールという洋服だ。
「遅くなっちゃうからね」
「すみません」
「もう謝らなくていいよ。事情がわかったから」
平日ほどではないが空いているとはいえない地下鉄に乗る。和装の黒崎くんは電車の中で目立つようで、やたらと視線を感じる。
「きみ、目立つみたいね」
「最近は着物姿の人が少ないから」
彼の言うとおりだ。和服の男性などお正月でも滅多に見かけたことはないけど、着物姿の女性だってめっきり減ってしまった。かく言うわたしも、コートとスカートに真新しいハイヒールという洋服だ。