許婚に内緒で合コンしたら、溺愛が始まりました。
一晩、彼と過ごしたら
車に乗り込み、私は怒られると思ったのに彼は何も言わずいつものように黙っていた。これってこのまま家に送られるパターンでは?と思い、それと同時に私のことは本当に興味がないんだなと落ち込んだ。
だけど、どうしてか咄嗟に隣に座る惟織さんのスーツの裾を掴んで少しだけ引っ張る。
「どうした?」
「……あの、惟織さん」
なぜか声が震える。彼が怖いのか、さっきの男性が怖かったのかわからない。というか、自分の行動もよくわからない。
「惟織さん、今日、私を泊めてください。惟織さんと一緒にいたい」
「何を言ってるんだ。君は……」
惟織さんは少し不機嫌な表情をして、顔を顰める。そして考え込むように黙った。