小児科医が甘え下手な看護師に愛を教えました
「葵さん、こんにちは」

ちょっと躊躇したように悠くんが挨拶してくれた。

「悠くん、こんにちは。大丈夫?お見舞い?」

「はい。真の様子を少し」

真くんは、病状がいいとは言えない。ICUに行く、行かない、そんなギリギリのラインにいる。

「ん、そっか。あっ、これ。あげる」

私はポケットに入っていたお菓子をあげた。

「私のおすすめのお菓子。他の子には内緒ね」

「ありがとうございます」

ペコっと頭を下げて別れた。

あまりにもその後ろ姿が小さく見えた。

「あの子か。この前、相談してきた子」

「うん」

「なるほどな、似てるな。オレらに」

海斗は何も言わずに私の頭をくしゃっと触れた。
< 66 / 99 >

この作品をシェア

pagetop