総長たちによる彼女のためのハロウィン祭り

「今、これを読んでる読者全員が、きっとお前のことを”不憫”だって思ってるけど、それはいいわけ?」

「不憫、ねぇ」



瞑っていた片目を開けて、純弥は足元を見た。

そして「俺が」と、口を開く。



「俺がこうしてニコニコして立っていられのは、美月のおかげだからね」

「……だから、答えになってないっての」

「美月と再会出来た。それだけで、俺にとっては、もう充分なんだよ」

「……ふぅん」



あっそ、と。

伊織が呟くと、純弥も「うん」と頷いた。



「いいんだな、それで」

「うん」

「あっそ」


さっきまでは掴み合っていたのに、今では目を伏せて笑い合っている。

二人共イケメンなだけに、その光景は神秘的な絵面で……さっきまで引いていた人並みは、女性限定で押し寄せて来た。
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