あの駅で君を待つ。
3話
7月に入った。
涼井とは、学校がある日はあの駅で
ほぼ毎日顔を合わせていた。
たまに部活が長引いて時間が合わない日もあったけど、
違う学校の生徒同士にしてはよく会う方だと思う。
あれから数日経ったあと、
彼女は隣の隣の高校の制服を着て現れた。
「夏休み前に転校とか、ほんとありえない」
彼女はそう言って笑っていたけど、
心做しか寂しそうに見えた。
今日もいるかな。
そう思いながら改札をくぐる。