君が死ねばハッピーエンド
約束は一時なのに、七時には目が覚めて、リビングに降りたらパパが朝ご飯のコーヒーを淹れていた。

「シイナ?早いな」

「ちーちゃんと約束してるんだ」

「えらく早い時間だな」

「ううん。一時だよ」

「一時?あはは。ソワソワして起きちゃったのか」

「そうかも」

「コーヒー、飲むか?」

「ううん。大丈夫、ありがとう。パパは仕事?今日も遅いの?」

「あぁ。昨日はどうしても家族のパーティーに参加したかったからな。早く切り上げてきたんだ。今日は残業頑張ってくるよ」

「そっか。大変だね」

「昨日、パワー貰ったからな。頑張れるよ」

「そう?頑張ってね」

リビングのドアが開く音がして、振り向いたらママが立っていた。

「パパ、幸せね」

ママが私とパパを見て微笑んでいる。

やっぱり私も、ママとパパみたいな夫婦に、朔となりたい。
朔もまだ私との将来を思ってくれているのなら。

パパが出勤して、ママが朝ご飯の片付けをしている間に私はリビングのソファでまた眠ってしまっていて、起きた時は十時になっていた。
ゆっくりと準備を始めて、まるで彼氏との初デートの時みたいに何度も服を着替え直した。

「シイナ、お昼食べていく?」

「ううん。ちーちゃんと食べるかもしれないし」

「そう。もし夜も外で食べるなら連絡してね」

「はーい」

「ちーちゃんにもよろしくね」

「うん!」

十二時半に家を出た。
学校に行く時よりも、この休学の期間、外に出たどんな時よりも足が軽かった。
ちーちゃんに会えるっていうだけで幸せだった。
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