ミル*キス
「やだぁー!」


駄々をこねる子供みたいに、イヤイヤして体を放してくれない。


この酔っ払いめ。


「コウカさーん。何、昼間っから飲んでんねん!」


部屋の奥を覗くと、テーブルの上に空になったワインボトルが2本とビール缶が数本。

――飲みすぎやろ


「はいはいはい。ちゃんと話、聞いたるから」


子供をなだめるように、ポンポンと背中を撫でてあげたら、ようやく解放された。



ベッド脇のローテーブル。

とりあえずそこで話を聞くことにする。


ま、だいたい予想はつくけどね。


この人は男に振られると必ずオレを呼び出すから。


今回もそんなとこだろう。


コウカさんは、オレより6つ年上だから、今、24か5かな。


中学ン時の家庭教師であり……オレの初体験の相手。



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