ミル*キス
少し腰をかがめて、窓の外を覗き込んだ。



空にはまだ月が浮かんでいた。


その姿はやっぱり何かに遠慮しているように、そしてどこか戸惑っているようにも見える。



――ここに出てきて良かったの?

ここにいるのは間違い?

私には闇こそ似合うのに……。


そして問いかける。


キミノ居場所ハアルノ?



さぁ、どうだろう。


今は何も考えたくなくて、目を閉じて


ただ電車の揺れに身を任せた。



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