ミル*キス
「って、やっぱ休みやんな」
日曜は定休日だって聞いていたのに。
なぜか急にスミレさんの顔が見たくなったんだ。
ああ……声聞きたいなぁ。
初めて会った時から、オレは彼女の声が気に入ってた。
なんか癒されるっていうか、ずっと話していたい……そう思わせるような声。
だけど携帯を手にしてみても、彼女のプライベートな連絡先なんてわかるわけもなく。
どれだけたくさんの人の番号が登録されていても、その時にほんとに会いたい人の番号がないなら、こんなもの全然役になんて立たないんだな……。
いくら探しても彼女の名前なんて見つけられないのに。
オレは意味も無く、アドレスをクルクルとスクロールさせた。
誰でもいいなら。
通話ボタン一つで、他の女の子を呼び出すことはできるんだろうけど。
今はそんな気分じゃなかった。
「しゃぁないな。帰るか」
携帯をパチンと閉じて、またトボトボと駅に向かう。
陽が暮れかけた空が、オレンジ色に染まっていた。
駅前にはロータリーがあって、その一角が、ちょっとした遊具なんかもある小さな公園になっている。
なんとなくその公園に足を進めた。
誰かのシルエットが見える。
逆光のせいで、顔までは確認できずにいた。
だけど近づくにつれ、輪郭がはっきりとしてくる。
その瞬間ドクンッて胸が高鳴った。
――え?
まさか……。
日曜は定休日だって聞いていたのに。
なぜか急にスミレさんの顔が見たくなったんだ。
ああ……声聞きたいなぁ。
初めて会った時から、オレは彼女の声が気に入ってた。
なんか癒されるっていうか、ずっと話していたい……そう思わせるような声。
だけど携帯を手にしてみても、彼女のプライベートな連絡先なんてわかるわけもなく。
どれだけたくさんの人の番号が登録されていても、その時にほんとに会いたい人の番号がないなら、こんなもの全然役になんて立たないんだな……。
いくら探しても彼女の名前なんて見つけられないのに。
オレは意味も無く、アドレスをクルクルとスクロールさせた。
誰でもいいなら。
通話ボタン一つで、他の女の子を呼び出すことはできるんだろうけど。
今はそんな気分じゃなかった。
「しゃぁないな。帰るか」
携帯をパチンと閉じて、またトボトボと駅に向かう。
陽が暮れかけた空が、オレンジ色に染まっていた。
駅前にはロータリーがあって、その一角が、ちょっとした遊具なんかもある小さな公園になっている。
なんとなくその公園に足を進めた。
誰かのシルエットが見える。
逆光のせいで、顔までは確認できずにいた。
だけど近づくにつれ、輪郭がはっきりとしてくる。
その瞬間ドクンッて胸が高鳴った。
――え?
まさか……。