ミル*キス
「手、出して」


彼女の手のひらに、ポンとミルキーを置いた。


「これ、やるわ」


「ミルキーやぁ」


「好き?」


「え?」


ネコ娘は慌てて顔を上げると、ギュと手を握り締めて、オレを見つめる。


「えと。……はいっ。好き……です」


「ふーん。なら良かった」


「あの……」


「じゃ、オレ、もう行かなあかんから」


何か言いかけた彼女の言葉を遮った。


オレもこんなとこで時間をつぶしてる場合じゃなかったから。


ネコ娘のせいで、当初の目的を忘れるところだった。




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