ミル*キス
身支度を整えてから、鞄を手にしてリビングに入ると、コーヒーの香りがした。


ミーコからマグカップを受け取る。


「……ゴホッ……」


喉の痛みがどんどんひどくなる。

頭痛は治まらない。

これは風邪だな……。


顔をしかめてコーヒーを口にする。



「今日も予備校ですか?」


そう尋ねられて「ああ」と返事を返す。


もう、言葉を発するのが辛いぐらい喉がやけつくように痛い。


「えらい、えらい! 最近、真面目にお勉強してるし」


と満足そうな笑みを浮かべるミーコ。

オレのオカンか……こいつは。



「今日、晩御飯はどうします?」


「……いらん」


喉の痛みのせいで無愛想な返事しかできない。


コーヒーを飲み終え、カップを差し出すと、

受け取ったミーコはちょっと遠慮がちに


「デートですか?」と上目遣いで尋ねる。


「うん」








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