猫は悪魔（占いおばちゃん鑑定シリーズ３）

１か月に１回、または２回来ると言う、
私にとってヘビーユーザー、貴重なお客さんだ。

来栖さんは、天は二物を与えずという法則に反している、うらやましい存在。

大手外資系企業の日本支社の秘書課長代理という肩書。
帰国子女なので、３か国語くらいは問題なくこなす。

父親が大手商社勤務で、海外駐在が長く、インターナショナルスクールから海外の難関大学卒業。

仕事がら海外出張も多い。
簡略すると、セレブの毛並みの良いお嬢様で、バリキャリの容姿端麗・高収入。

だが、アラフォーで、恋愛運に問題を持つ人なので、私との付き合いは、結構長い。

「こんにちは、先生？お元気でしたか？」

来栖さんは、年齢には見えない、可愛らしい笑顔を私に向け、手土産の手提げ袋を軽く持ち上げた。

そこには、世界的に有名なブランド、
１個１０００円近くする、チョコレートの詰め合わせが入っている。

自分では絶対に買わない、買えない高級品・・