【短】made by……



「申し訳ありません。私は貴方のことをそのような目で見たことは無いですし、今後も絶対にありえませんので」



 自分でも驚くほどに冷たく、突き放すような声だった。

 そして、その言葉を受けた充希の表情は頭に焼き付いている。強くショックを受け、それでもその感情を表に出すまいとする、歪な表情。


 ……その後からだった。充希がたくさんの女性と浮名を流すようになったのは。

 あまりに女をとっかえひっかえするのはどうかと思ったが、それでも元孤児のメイドなんかに恋をするよりはずっと良い。

 だけど、どれだけ美しい女の子たちに囲まれても、充希は全然幸せそうに見えなかった。その様子を見るたびズキズキ胸が痛んだ。



 その痛みが罪悪感からくるものだけではないとリミが気付くには、多少時間がかかった。




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