【短】made by……



「充希様が私をメイドとして雇うことを提案してくださったからには、きちんとそれに応えたいと思っています」


「良い心構えですね。奥山さんは充希様にスカウトされたのですか?」


「ええまあ。実は……」



 気が付けばリミは、自分の生い立ちや、メイドとして雇われた経緯を鷹司に話していた。

 美味しい紅茶を淹れてもらったせいで、心が緩んでいたのだろう。もしくは鷹司があまりに聞き上手だったのか。

 リミの話がひと段落したところで、鷹司は聞いてきた。



「今の話を聞いていて思ったのですが、奥山さんがここでメイドとして働いているのは、充希様のそばにいるためなのでしょうか」


「え?」


「だってそうでしょう。高校も卒業された今、奥山さんは中学を卒業したばかりの頃よりずっと選択肢が広くなっているはずです。貴女ならば、今度こそこの家を出て行こうと考えるのが自然な気がいたしまして」




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