余命宣告された私が出会ったのは、キスで寿命を伸ばすことのできる人でした。
時計を確認すると午後8時が近くなっていて、帰宅してから4時間も絵を描いていたことがわかった。


道具を片付けてキッチンへ向かおうとしたそのときだった。


スマホが光っていることに気がついて手に取った。


きっと大樹からのメッセージかなにかだろうと思ったが、それはクラスメートのひとりからのメッセージだった。


普段あまり連絡を取り合わない子だったので、萌は少しだけ躊躇した。


そこにはあまりよくないことが書かれているのではないかという、予感もあったのかもしれない。


しかし萌は次の瞬間にはそのメッセージを開いていた。


画面いっぱいに表示されたのは一枚の写真で、それは誰かがキスをしているところだった。


それが誰なのか萌には一瞬わからなかった。


白いTシャツに黒いジーンズの男。


相手の女の子は萌と同じ学校の制服を着ている。


どうして服装が違うんだろう?


男子のほうは一度家に帰って、わざわざ着替えてる?
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