訪れたのは、ほんの少しの甘い予感
杏優side

ー羽宮杏優ーの一日は執事の白凪 騎流が私を起こしにくるところから始まる。

「...様。お嬢様。お嬢様、起きてください。」

丁寧な低い声に起こされる。


白凪の声だなぁって思いながらもまだ寝てたい欲が勝ってしまう。


「ん〜 … あと10分。いや、15分でもいいから …。」


「何故時間が増えるんですか。お嬢様。今日はいつにも増して意味のわからないことを仰っていますね。」

白凪は、はぁ、とため息をついて

「いいかげんすぐに起きてくださらないと、今日の朝食抜きですからね。」

呆れた様子で残酷なことを告げてきた。


えっ、待って!

今、白凪なんて言った!?


「いやっ!それは絶対なしー!」

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