だから聖女はいなくなった
「アイニス様は、こちらではどのような様子でしょう」
ラティアーナのドレスの件は、なんとなく話がみえた。となれば次は、アイニスのことを聞いておきたい。
サディアスの問いに、神官長は大げさに息を吐くと、頭を左右に振る。
「本来であれば、神殿で生活をしていただきたいのです。竜王様の側にいることで、竜王様と共にその聖なる力が高められるのです。アイニスは竜王様に認められた聖女ではありませんから、こちらでの生活には抵抗があるかもしれません。ですが、せめて王太子殿下と結婚するまではこちらに来ていただけないでしょうか」
アイニスが三日に一度の神殿での務めを嫌がっているため、彼女の様子のさぐりをいれたかった。だが、やはり神殿側としては、聖女を神殿におきたいようだ。むしろ、竜の側にいてほしいのか。
「その件は僕の一存ではどうしようもできませんので、兄とアイニス様にはそれとなく伝えるようにします。神殿からの希望ということで」
「希望ではなく、慣例であると伝えていただけますか?」
「承知しました……ところで、竜と会うことはできますか?」
ラティアーナのドレスの件は、なんとなく話がみえた。となれば次は、アイニスのことを聞いておきたい。
サディアスの問いに、神官長は大げさに息を吐くと、頭を左右に振る。
「本来であれば、神殿で生活をしていただきたいのです。竜王様の側にいることで、竜王様と共にその聖なる力が高められるのです。アイニスは竜王様に認められた聖女ではありませんから、こちらでの生活には抵抗があるかもしれません。ですが、せめて王太子殿下と結婚するまではこちらに来ていただけないでしょうか」
アイニスが三日に一度の神殿での務めを嫌がっているため、彼女の様子のさぐりをいれたかった。だが、やはり神殿側としては、聖女を神殿におきたいようだ。むしろ、竜の側にいてほしいのか。
「その件は僕の一存ではどうしようもできませんので、兄とアイニス様にはそれとなく伝えるようにします。神殿からの希望ということで」
「希望ではなく、慣例であると伝えていただけますか?」
「承知しました……ところで、竜と会うことはできますか?」