最強メイド!おぼっちゃまたちをお守りします!
「いいから早く用事済ませてくんねぇ? ゲーム途中だったんだよ」

 ソファーに座っている男の子が文句を言う。
 もしかしなくても、この人が私と同い年の次男だよね?

 三兄弟の中で一番接する機会が多くなりそうな相手の態度に私はなげいた。
 こんな人たちが護衛対象なんて……と気落ちしながらリビングルームに入ると、紫苑と呼ばれた男の子にジッと見られていることに気づく。
 ニコッと笑顔を向けるとサッと柊さんのかげに隠れちゃった。

 うーん……かわいいけど、なついてはくれないのかなぁ?
 上の二人とは仲良く出来そうにないから、せめて紫苑くんだけでもって思うんだけれど。


「さあ、こちらが今日から一か月みなさんの護衛につくことになった弧月望乃さんです」

 三人がソファーに座ると、登代さんが私を紹介する。
 三兄弟には不安も大きいけれど、依頼は受けちゃったんだから頑張らないとね。
 私は思い直して元気にあいさつをした。

「弧月望乃です。一か月よろしくお願いします!」

 ペコリとお辞儀をすると、今度は三人の紹介を登代さんがしてくれる。
 長男の柊さん、次男で私と同じ年の杏くん、そして末っ子の紫苑くん。

 紹介されながらも柊さんは興味なさそうだし、杏くんはにらんでくるし、紫苑くんは大きな目でジーッと見ているし。

 もう、先が思いやられるよ。

 みんなに見られているからしなかったけど、重いため息を吐きたい気分だった。
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