クリスマスなんて大嫌い! ~黒鼻のトナカイ~


「美樹」

雑誌を見ていた美樹に声をかけると、美樹は凄い勢いで振り返った。


「優~~!」

「どっ、どうしたの?」

「緊張しまくりだよ~」


今にも泣き出しそうな美樹が、私に抱きつき頬を赤くした。



「よしよし、大丈夫だよ」

美樹の頭を撫でて声をかけた。


本当に誠君のことが好きなんだね……。




文化祭の準備期間中、美樹はいつも輝いてた。


文化祭を成功させるために真人君と一生懸命走り回って、文化祭のフィナーレでは泣いてたもんね。


嬉しさと寂しさ、両方の思いに押しつぶされそうになりながら。





「美樹、今度こそ絶対真人君に告白しよう!」

「うん」


私は冷たくなってる美樹の手を握り、美樹の返事に大きく頷いた。



商業科の私達は、春に卒業したらそれぞれ就職する。


就職してしたら、もうこんなふうに近くで応援することも出来なくなる。



卒業する前に、絶対美樹の恋を実らせたい!!







< 7 / 98 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop