ジュヴナイルの愛憎
「危ないから、俺が片付けておく。少し休みなよ」

「でも…」

「いいから、いいから」

そんな風にフォローしてくれた。

何に対してそこまで疲れていたのか。

絶対に県内トップの高校に合格しなければ…というプレッシャーと、寒くなると、絹がいつも以上に体調を崩しがちなので、夜遅くであっても病院に連れて行くことが多かったせいだろう。

両親は、共働きの上に、夜勤があったり、長期出張で不在だったりする。

そうなれば、当然、家事から絹の看病まで、全て私一人でしなければいけない。
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