キミと過ごした、光輝く270日間のキセキ【2.19おまけ追加・完結】
そうか。
でも、結婚式を挙げるという夢は、私だけの夢じゃないんだ。

嬉しい。こんなの、嬉しすぎるよ。

嬉しすぎて、言葉が出てこない。


「2人で叶えような。結婚式」

「……はいっ…!」


じわりと、目に涙が溢れた。


叶うかなんて、わからない。
もしかしたら、叶わない確率の方が高いかもしれない。

でも、匠真は私との未来をちゃんと考えてくれていた。

こんな風に、彼はいつだって私のことを想ってくれている。
だから……生きなきゃ。

弱気になんて、なっている暇なんてない。


「……それでさ」

「はい? どうかしました?」


赤信号で停まったとき、匠真が照れくさそうに私の顔を見る。

なんだろう。なにか頼みごと?


「このまま、俺のマンション来ない?」

「えっ!?」


突然のお誘いに、私の体温が一気に上昇した。

これってもしかして、前に言っていた〝覚悟〟のとき?
どうしよう……緊張する。


「いや。嫌なら、無理にとは言わない」


ドクン、ドクンと、心臓が大きく波打っている。

嫌なわけない。
だって、私も匠真と一緒にいたいもん。

姉の結婚式を見て、羨ましく思って。
まだ離れたくないって、ちょっと思っていた。


「……お願いします」


私の返事に、少し驚いていた匠真だったけれど。

すぐに嬉しそうな笑顔に変わり、私の頭を撫でてくれた。
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