きょうこ(28歳)〜ひと夏の恋が終わるまでに…
時は、2015年8月28日頃のことであった。

アタシ・きょうこ(28歳・家事手伝い)は、8月30日に両親が一方的に決めた医師の男性と挙式披露宴を挙げる予定であった。

アタシは、大学にいた時から結婚を前提にお付き合いをしているひろゆき(30歳・会社員)と一緒に甲斐大泉(山梨県北杜市)のキャンプ場にいた。

ふたりは、キャンプ場で最後のデートを楽しんでいた。

アタシは、両親に『高校時代の友人たちと一緒に奥多摩の方にキャンプに行くから…』とウソをついた。

ふたりは、3日前に東京を出発をしたあとここにやって来た。

時は、夕方5時40分頃のことであった。

ふたりは、かまどでハンゴウスイハンをしながらお話をした。

「ひろゆき…」
「きょうこ…」
「明日は…東京に帰るのね…だけど…アタシは…イヤ…」
「家に…帰りたくないのだね。」
「ごめんなさい…アタシまた…わがままを言うてしまったわ…」
「どうしたのだよ?」

ひろゆきからの問いに対して、アタシはつらい声で答えた。

「アタシ…今まで言えなかったのだけど…ひろゆきのことを…今でも…愛してるの…」
「だから…帰りたくない…」
「うん。」
「きょうこは…両親が勧めて下さったお見合いで出会った医師の男性と結婚するのがイヤなんだ…」

アタシは、困惑した表情でひろゆきに言うた。

「アタシ…医師の男性が…大キライなのよ…」
「医師の男性が大キライなんだね。」
「医師の男性は…自分の生き方を選べない男よ…周りの言いなりになっている…ヒクツにダメ男よ!!」
「そんなにダメなのか?」
「うん。」

アタシは、ものすごくつらい声でひろゆきに言うた。

「そう言うアタシもダメな女よ…小さいときから物事を決めることができない性格だから…なにもかも周囲の人にまかせた…高校も大学も…両親の知人のコネで進学したのよ…今回の結婚についてもそうよ…アタシ…ひろゆきと結婚する気でいたのよ…だけど…アタシはグズだから…行動に移すことができなかった…」
「だから、両親がお見合いを入れたと言うことか…」
「うん。」
「きょうこは、今でもオレのことを愛しているのだね。」
「うん。」
「それじゃあ、なんでお見合いを断らなかった!?」
「相手が…どうしてもアタシじゃないとイヤだと言うたのよ…だけど…アタシは、自分の力で生きていけないダメ男と結婚するのはイヤ!!」
「きょうこ…」

今もひろゆきのことを心底から愛している…

お見合い相手のグズ男は、死んでもイヤ…

アタシの苦しみは、更に深くなった。

日付が変わって、8月29日の深夜2時過ぎのことであった。

ところ変わって、ふたりが泊っているバンガローの中にて…

アタシは、ひろゆきに抱かれていた。

ひろゆきは、アタシを寝かせて身体《からだ》を押さえつけたあと着ていた衣服を強引に脱がした。

全裸《はだか》にされたアタシは、完全受け身の状態でひろゆきに抱かれた。

深夜4時過ぎのことであった。

ひろゆきは、眠っているアタシの身体《からだ》を舌先でなめ回した。

そして、夜が明けた。

朝7時頃に、お見合い相手の男性からラインのメッセージが来た。

アタシは、スマホを手にしたあとラインのメッセージを見た。

きょうこちゃん…

今、どこにいるのかな…

明日はいよいよ結婚式だね…

おててをつないでヴァージンロードを一緒に歩きたいな…

今日は、予定は空いているのかな…

きょうこちゃんに会いたいな…

お見合い相手の男性は、アタシに会いたいと繰り返して呼びかけていた。

アタシは、相手が大キライだからメッセージを返信せずにアプリを閉じた。

ふたりは、午前10時にキャンプ場の管理事務所で出発することを伝えた後キャンプ場を出発した。

このあと、ふたりはキャンプ場の最寄りのバス停からバスに乗ってJR小淵沢駅まで行く予定であった。

しかし、アタシはバス停へ行くのがイヤなのでひろゆきにわがままをこねた。

ふたりは、バス停に行かずに近くの゙谷川へ行った。

時は、午後2時過ぎのことであった。

川辺に座っているふたりは、ひとことも言わずに川のせせらぎを聞いていた。

そんな中であった。

アタシのスマホにラインの着信音がひっきりなしに聞こえていた。

お見合い相手の男性が、アタシに会いたい会いたいと繰り返してメッセージを送っていた。

アタシは『ごめんなさい…かえりの特急列車に乗ろうと思っていたら、事故で運転見合せになっているの…いつ運行が再開されるのか分からない…』とメッセージを返信した。

すると、お見合い相手の男性はこう書いて送って来た。

ぼくは、いつでも待っているよ…

新宿駅の中央線のホームで待っているよ…

困るわよ…

アタシは、ラインのアプリを閉じた後にひろゆきと一緒に川のせせらぎを聞いて過ごした。

そしてとうとう、夕方6時になった。

この時、小淵沢駅へ向かうバスがなくなった。

これで東京へ帰ることは困難になった。

この時、アタシのスマホに家からメールがたくさん届いた。

今、どにあたりにいるのだ…

いつになったら帰ることが出来るのだ…

明日は、結婚式だぞ…

アタシのスマホにそんなメールがたくさん届いた。

アタシは、お見合い相手のラインにメッセージを送った。

(お見合い相手)さん…

ごめんなさい…

アタシは…

ひろゆきをまだ愛しています…

あなたは…

ユージューフダンだから大キライ…

周りの言いなりなったヒクツなあなたはドサイテーよ!!

ドサイテー!!

ドサイテー!!

お見合い相手の男性に別れのメッセージを送ったアタシは、ひろゆきに対して身体《からだ》を求めた。

「きょうこ…」
「ひろゆき…抱いて…アタシを…ボロボロにして…」

ひろゆきは、アタシをぎゅっと抱きしめた後に激しいキスをした。

ひろゆきは、アタシの身体《からだ》を押さえつけながら寝かせた後、アタシが着ていた衣服を強引に脱がした。

ひろゆきに衣服を脱がされているアタシは、ライン通話のアプリをひらいたあとお見合い相手の父親に電話をかけた。

その間、ひろゆきはアタシを全裸《はだか》にした。

お見合い相手の父親が電話に出た。

同時に、全裸になったひろゆきがアタシの身体にのった。

ひろゆきは、荒い息をしながらアタシの身体《からだ》を激しくむさぼった。

アタシは、受話器の向こう側にいるお見合い相手の父親に対してより激しい泣き声をあげた。

アタシは…

今からカレと一緒に地獄へ墜《お》ちます…

カレと一緒に…

地獄で結ばれます…

こんなアタシを…

許してください…

そして挙式披露宴当日の朝であった。

ふたりは、全裸《はだか》の状態で腹上死《なくな》った。
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