愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~
第七章 『家族』の一線を越えるとき
レスキュー隊、消火隊の活躍により、火災による死傷者はゼロ。

私は軽く煙を吸い込んだものの、大事には至らず、すぐに退院することができた。

出火元はやはり二階だった。態度の悪かった二階のオーナーは、マンションの管理者や他店舗のオーナーから責められ、ようやく謝罪したそうだ。

消防法違反の警告を受け一度は改善したものの、数週間と経たずに再度違反し、火災まで引き起こした。

懲りずに再び火災報知機に細工し、発見が遅れ火の手が拡大。建物への被害が甚大だ。

北斗さんいわく、悪質とみなされ重めの罰則が下るのではないかとのこと。

一階から三階は店を続けられるような状態ではない。

建物が古いせいもあり、火災後の処理や工事にはしばらく時間がかかるそうだ。最悪、建て直しになるかもしれない。

調理機材もほとんど使えなくなってしまった。

私と優多さんはもう一度ゼロから事業計画を練り、移転に向けて準備を進めている。


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