愛しのプラトニック・オレンジ~エリート消防官の彼と溺甘同居中~
「じっくり吟味して、信頼できる男を見つけてほしい。いつも言っているだろ? 真誉には幸せになってほしいんだ」
俺とでは幸せになれない、そう突きつけられた気がして胸がじくじくと痛みだす。
私たちの未来を黒く塗りつぶそうとしないで。
彼の特別になりたいなんて、そんな厚かましいことは望まないから、せめて密かに慕わせてほしい。
そんなささやかな権利さえ奪われた気がして、いてもたってもいられなくなった。
「……無理よ」
自ら手を繋ぎに行く。両手で握って引きとめると、彼は驚いて立ち止まった。
「真誉?」
「北斗さんと一緒にいるときが、一番幸せだもの」
顔を伏せて、訴えるようにぎゅっと手を引っ張る。頭の上で困惑したような吐息が聞こえた。
「もう四年も一緒に暮らしてるんだ、俺を家族のように思うのは当然――」
「そうじゃないの!」
小さな悲鳴が静かな住宅街に響いて、すぐにまたしんと静まり返った。沈黙がふたりを容赦なく包み込む。
鈍感な振りをしてごまかそうとする北斗さんに、焦りのような怒りのようなもやもやとした気持ちが湧き上がってきて抑えきれない。
俺とでは幸せになれない、そう突きつけられた気がして胸がじくじくと痛みだす。
私たちの未来を黒く塗りつぶそうとしないで。
彼の特別になりたいなんて、そんな厚かましいことは望まないから、せめて密かに慕わせてほしい。
そんなささやかな権利さえ奪われた気がして、いてもたってもいられなくなった。
「……無理よ」
自ら手を繋ぎに行く。両手で握って引きとめると、彼は驚いて立ち止まった。
「真誉?」
「北斗さんと一緒にいるときが、一番幸せだもの」
顔を伏せて、訴えるようにぎゅっと手を引っ張る。頭の上で困惑したような吐息が聞こえた。
「もう四年も一緒に暮らしてるんだ、俺を家族のように思うのは当然――」
「そうじゃないの!」
小さな悲鳴が静かな住宅街に響いて、すぐにまたしんと静まり返った。沈黙がふたりを容赦なく包み込む。
鈍感な振りをしてごまかそうとする北斗さんに、焦りのような怒りのようなもやもやとした気持ちが湧き上がってきて抑えきれない。