敏腕社長は雇われ妻を愛しすぎている~契約結婚なのに心ごと奪われました~
「突然、ごめんなさい。上がってかまわないかしら?」
「あ、あの、私は留守を預かっている身でして」
家主の許可なく誰かを部屋に入れることなどできない。しかし彼女はまったく気にせずに続ける。
「それなら大丈夫。初めまして。隼人の母、進藤美奈子です」
彼女の自己紹介に頭が真っ白になるのと同時に腑に落ちる。
『母親がたまにマンションに顔を出すんだが、あまりにも生活感がないと家事をしていないのがバレるかもしれないからな』
目の前にいるのは、私を雇った理由でもある社長のお母さまだ。そうなると自分はどの立場で話せばいいのか迷ってしまう。社長としては、家事代行業者を雇っているのを母親に知られたくないはずだ。
「あなたなのね! いつも息子がお世話になっています。よかった、まさか会えるなんて。会いたかったわ、あなたの話を隼人から聞いていたから」
しかし社長のお母さまは私の存在を訝しがることなく明るく言ってきた。彼女の言葉で、張り詰めていた緊張がわずかに解ける。
社長、家事代行業者のことを伝えていたんだ。
これで下手に嘘はつかなくていい。そこで私は自分がまだ名乗っていなかったことに気づく。
「初めまして、沢渡と申します。私は――」
「沢渡さん? 下のお名前は?」
言い終わらぬうちに尋ねられ、まずは彼女の質問に答える。
「未希です」
「未希さんね。さ、立ち話もなんだし中でお話ししましょう!」
中に歩を進める社長のお母さまに、私は慌ててついていく。
「あ、あの、私は留守を預かっている身でして」
家主の許可なく誰かを部屋に入れることなどできない。しかし彼女はまったく気にせずに続ける。
「それなら大丈夫。初めまして。隼人の母、進藤美奈子です」
彼女の自己紹介に頭が真っ白になるのと同時に腑に落ちる。
『母親がたまにマンションに顔を出すんだが、あまりにも生活感がないと家事をしていないのがバレるかもしれないからな』
目の前にいるのは、私を雇った理由でもある社長のお母さまだ。そうなると自分はどの立場で話せばいいのか迷ってしまう。社長としては、家事代行業者を雇っているのを母親に知られたくないはずだ。
「あなたなのね! いつも息子がお世話になっています。よかった、まさか会えるなんて。会いたかったわ、あなたの話を隼人から聞いていたから」
しかし社長のお母さまは私の存在を訝しがることなく明るく言ってきた。彼女の言葉で、張り詰めていた緊張がわずかに解ける。
社長、家事代行業者のことを伝えていたんだ。
これで下手に嘘はつかなくていい。そこで私は自分がまだ名乗っていなかったことに気づく。
「初めまして、沢渡と申します。私は――」
「沢渡さん? 下のお名前は?」
言い終わらぬうちに尋ねられ、まずは彼女の質問に答える。
「未希です」
「未希さんね。さ、立ち話もなんだし中でお話ししましょう!」
中に歩を進める社長のお母さまに、私は慌ててついていく。