相思相愛・夫婦の日常~カナ♡ネオ編~
それから二人は、デートに出掛けていた。

指を絡めて手を繋ぎ、ゆっくり街を歩く。
奏弟は、ジーッと嶺音を見つめていた。
「………ねぇ、カナ」

「んー?なぁに?」

「前、見て?」

「やだ」

「危ないよ!」

「でもやだ」

「やだじゃない!前、見なさい!」

「やだ、ネオちゃんを見てたい!」

「転んだらどうするの!?」

「俺はネオちゃんじゃないもん!(笑)」

「なっ…!!?
し、失礼だよ!!」
バッと、繋いでいた手を離す嶺音。

「あー!!ネオちゃん!!?」

「ちゃんとしないなら、手を繋ぎません!」
そのまま、スタスタと先を歩き出す。

「━━━━━嶺音!!!
岩谷 嶺音!!!」
後ろから、大きな奏弟の声を張り上げる声が響いた。

「へ!?」
バッと振り返る。

「俺を一人にするなよ!!
傍にいるっつったじゃんか!!!
俺のこと、好きなんだろ!!?
なんで、離れるの!!?」
奏弟の大きな声に、周りの人達がなんだなんだと注目し始める。

「は?ちょっ…カナ!!」
慌てて奏弟に駆け寄り、口を塞いだ。

「んー!んー!んーん!ん!」
嶺音に口を塞がれ、目で訴える。

「もう、大きな声出さないで?
傍にいるから!」
嶺音が言い聞かせるように言うと、コクコクと頷いた。

「カナ」
「何?」

「子どもみたいなこと、言わないで?」

「うん。自分がガキなの、わかってるよ。
でも、嫌なもんは嫌!
離れたくない!
ずっと、ネオちゃんだけ見てたい!」

「でも、私はここにいるでしょ?」

「うん、わかってるよ」

「だから、不安になんないで?」

「不安!」

「はぁ…もう!ワガママ言わないの!!」
大きなため息をつく。

「………」

「カナ!」

「だって好きなんだもん!」

「私だって好きだよ!」

「俺は!大好き!」

「私だって大好き!」

「いや、違う!
俺は!愛してる!」

「私だって!愛…!」

「ん?なぁに?」

「愛…愛…愛し、て…る…//////」
途端に恥ずかしくなり、声が小さくなる。

「なぁに?聞こえなーい!」
顔を覗き込むようにして、首を傾げる。

奏弟の顔が、間近まで近づいている。
今にも口唇がくっつきそうだ。

「……/////わかるでしょ?
…………………バカ…/////」
そう言って、奏弟の口唇に軽くキスをした。

「……/////」
思いがけない嶺音の行為に、奏弟は目を見開いて顔を真っ赤にする。

「カナ?」


「幸せ…/////」

「え?」


「俺、もう…死んでもいい………!!」


「え━━━━」
その瞬間━━━━嶺音の目が見開かれ、悲しみに揺れた。

「え?ネオちゃん?」

「……めて…」

「え?え?」

「やめて!!!」

嶺音が涙を溜めて、奏弟を睨みつけていた。
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