弁護士は相談料として愛を請求する

「ああ、断ったよ」

「……え?遥さんの旦那さんが断れない人じゃないの?」

「いや、会ったとしても断るつもりだった」

「うそ……」

「嘘じゃねえ、早く乗れ」

 そういうと、助手席に私を押し込んだ。

 運転席に回ってきたのんはエンジンをかけて発進した。のんのマンションじゃない方へ行く。

「のん?どこ行くの?」

「お前が行きたがっていた、あの丘の高台。今日は星も綺麗に見えるし、いいかもしれないからな」

「ほんと?嬉しい!」

 こちらをチラッと見たのんは笑顔を見せた。
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