弁護士は相談料として愛を請求する
「倉田。いいか、こいつはな、言っておくが常に女が周りにいるぞ。お前は隠されていて気づいてないんだよ。絶対浮気されて、幼馴染みだからって我慢するに決まってる」
うわあ……。のんがモテることや、今はそれに拍車がかかっていること、私が知らないだけで結構な数の女性と関係していたのかもしれないことなど、そんなことはわかっているけど、他人様に言われるのって結構……。
返事をしないのんを見ると、やっぱり事実なのね。ようやくグラスを下に置いて、佐竹君を正面から見据えて口を開いた。
「佐竹。弁護士になった途端、口がうまくなったな。前はただの脳筋だと思っていたが、たいしたもんだ」
「古川!」「のん!」
あまりの口の悪さに、私は隣の、のんの手をパシン!と叩いた。
「……痛ってえ……」
「のん!佐竹君に失礼だよ。のんは口が悪すぎる。謝りなさい。ごめんね、佐竹君。のんったら……」