弁護士は相談料として愛を請求する

第四章 社交界デビュー


 今日は堂本コーポレーションの創業祭。

 年に一回、三月にあるそうだ。

 私はとうとうそのパーティーに出ることとなった。

 朝からホテル内の美容室に押し込まれ、そのあとフォーマルなワンピースをいくつか試着して、シフォンのピンク系の裾がひらっとしたワンピースドレスに着替えた。ジュエリーも少しお借りした。

「鈴音ちゃん、可愛い。これはすごいわ。望がきっと惚れ直すこと間違いなしよ」

 そう言う遙さんこそ、本当にお綺麗。元々とても美しい方だけど、お子さんを産んでさらに綺麗になられた。

 ブルーのロングドレスに背中が開いたセクシーな大人のマーメイドドレス。ご主人がベタ惚れだというのはよくわかる。

「ありがとうございます。こんなの着たことないから転ばないといいんですけど。遙さんもとてもお似合いです」

「こういう服ってなんかスースーするっていうか、慣れないのよね。歩くときは足下見てね。それか、望の腕に手を回していれば転んでもお尻はつかないから大丈夫よ」
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