弁護士は相談料として愛を請求する

「あ、いいえ。昔から彼女がいても詳しい話はしてくれなかったのでお役に立てなくてすみません」

「あ、いいのよ。鈴音ちゃん、気持ちが変わったらすぐにメールして。アドレスこれだから……」

 頭がいいな、遥さん。相変わらず気が利くというか、なんというか……。

「ありがとうございます。あ、赤ちゃんの事で何かあれば聞いてください。これでも保育士なので、少しはお役に立てることもあるかもしれません」

「そうね。お願いするわ。みんな、甘やかしてばかりでちょっと心配なの。今度教えてね」

「はい、もちろんです」

 そういって、彼女と別れて帰ってきた。ぼんやりしていて、車にひかれそうになった。そのくらい、ショックだった。そして、のんとの関係を本気で見直す時期に来たと思った。

 私は異動に向けて忙しくなった。のんも忙しいのかあれから全く音沙汰がない。というか、よく考えてみれば、今まで私からのんへ連絡してばかりだった。
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