初恋婚〜幼馴染のエリート同期と離れられなくなりました~
不愉快感
一樹からの謝罪を受けたその日の夜から、またメッセージが再開された。
《一樹:おやすみ》

いつもは文字だけだったのに、今回は文字の後ろにハートマークがつけられている。

これは、前よりも一歩近づいたということだろうか。
ひとりで部屋にいるのに、メッセージを見ているとなんだか照れくさくなってしまった。

高校生の頃の初めての彼氏を思い出すように甘酸っぱい気持ちが広がっていく。
自分からもハートマークをつけて返事をするべきだろうか悩みつつ、無難に笑顔のスタンプを返しておいた。

俊介も今頃梓ちゃんとメッセージのやりとりをしているだろうか。
そう思いながら電気を消して布団に入る。

この調子で付き合いが続いていけば、きっと今までとは違う結末が待っている。
そう考えると嬉しくて頬がニヤけてきた。

そのまま寝てしまおうと目を閉じたところでスマホが短い音を立てた。
ベッドサイドへ手を伸ばしてテーブルの上のスマホを確認すると、俊介からのメッセージだった。

《俊介:今日さっそく梓ちゃんと食事してきた! 約束通り奢ってくれたよ》

文字の後ろには歓喜して泣いているウサギの絵文字が添えられている。
< 141 / 179 >

この作品をシェア

pagetop