初恋婚〜幼馴染のエリート同期と離れられなくなりました～

なんとなく一目が気になって、一樹と一緒にいるという緊張感の中でデートしていたような気がする。
だからこそ、ファミレスなどで食事をすることになると安心してしまうんじゃないんだろうか。

これ以上、緊張しなくてもすむと思うから。
「でも、付き合い始めはこんなもん……」

自分で自分に言い聞かせたとき、これは前にも同じようなことを考えたとふと思い出す。
結局あの時から緊張感はなにも変わっていないということかもしれない。

思えば自分だけまだ敬語を使っているし、そこから抜け出すことができる気もしない。
上手く行っているはずなのに、なんどう、この気持は。

考えれば考えるほど自分が一樹のことを好きかどうかわからなくなる。
「そんなことない！　私はちゃんと一樹さんのことっ……！」

会社の人気者だとういうだけで、声をかけられて舞い上がってしまったのかもしれない。
私、ちゃんと一樹さんのこと好きになってないんだ。