初恋婚〜幼馴染のエリート同期と離れられなくなりました~
思わず両手で自分の頬を包み込んで隠してしまう。
ムスッとしながらもなにも言い返せないでいる間に就業開始のチャイムがなり始めて優莉奈はパソコン画面を視線を向けた。

相変わらず沢山のメールが来ているから、順番に返信していく。
事務を行う部署のためみんなパソコンに向かってカタカタやり始める。

普段は気にならないことだけれど、なんだか今日はそれが滑稽な姿に見える気がしてきた。
昨日、仕事のことで大ちゃんに振られたことが原因かもしれない。

こんなときまで大ちゃんを思い出してまた泣きそうになってしまう。
でも職場で泣くわけにはいかなくて奥歯を食いしばって耐えていると、上司が部屋に入ってきた。

見慣れない長身の男を連れている。
「みんな、ちょっと注目してくれ」
< 36 / 179 >

この作品をシェア

pagetop