初恋婚〜幼馴染のエリート同期と離れられなくなりました~
それはまた約束を取り付けて行くものだと思っていたので、優莉奈は慌てふためいてしまう。
今日はジーンズにTシャツというとてもラフな格好だから、おしゃれなお店にはとても行けそうにない。

「大丈夫。そこにイタリアンだから」
そう言って一樹が指差したのは会社の斜め向かい側にあるファミリーレストランだった。

それを知ってホッと胸をなでおろした。
あそこなら、それほど格好を気にすることもなさそうだ。

なによりも一樹とふたりで高級レストランなんかに行くと緊張して味がわからなくなるに決まっている。
その点においても安心できた。

「それとも、もっとオシャレなところがいいかな? 今から予約ができるお店は……」
スマホを取り出して近辺のお店を調べ始めたので優莉奈はすぐに止めに入った。

「あのお店で十分です!」
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