ハイスペ彼氏は彼女にゾッコン

理想の人











「(……飲み過ぎた)」




店の外に出て、身体のだるさに気付いた私は1人で大きな溜息を漏らす。



今頃彰人は会社の人達と盛り上がってるのかなぁ。

さすがに2軒目とか行ってるか。


……桃田さんは彰人の隣をキープしたりしてそう。

そんでさり気ないボディータッチとかしてさ。


彰人もほんの少しくらいキュンってしちゃったり……。



ああ、考えたくなくても考えてしまう。



そんな状態だったから、私は少しでも気を紛らわせる為に1人で街に出掛け、飲みまくっていたという。


なんか惨めだな…。

彼女なのに……なんでこんな自信無いんだろ。




「(帰ろ…)」




私はトボトボとゆっくり歩きながら駅まで向かい始めた。





――ふと、


前方に見えたスーツ姿の男性が目に止まる。



わ、彰人かと思った…。

あの背丈でスーツ着てたらいつも彰人かと思っちゃう。





……ん?

いや待って。



あれ……やっぱり彰人じゃない?


あ、絶対彰人だ。



てことはその隣にいる小柄な女性は……。




「私良い所知ってますよ!」




2人とも後ろ姿だけど、その可愛い声が聞こえて確信する。


彰人と……桃田さん。



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