静穏総長も、時には激しく愛したい

悪い事をして逃げる嵐太を、優利はいつも気にしていた。「兄貴が迷惑かけたらごめんな」って、何度も私たちに謝っていた。



「そんな優利が、蒼羽を怒るわけないじゃん。むしろ”ありがとう”って言うよ、絶対に。優利って、そういう人だもん」

「……」



精一杯の励ましを込めると、蒼羽は無言になった。なんか、不機嫌なオーラを感じるのですが、何故……?



「どうしたの、蒼羽?」

「優利の事を熱心に語る明里に、腹立ってるの。わかる?」

「え、まさかヤキモチ?」

「…………だったら?」

「(認めた! 珍しい!)」



私はずっと、優利に片思いをしていた。でも、それは昔のこと。

今は蒼羽一筋だよって何度も言うのに……こうやってたまに、不安になるらしい。



「優利のこと、まだ好き?」

「なわけないじゃん。私は蒼羽が一番って、よく知ってるでしょ?」

「……だってさっき、優利の事ばかり話しちゃってさ」
< 290 / 315 >

この作品をシェア

pagetop