異国の地で出会った財閥御曹司は再会後に溺愛で包囲する
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 日本の名門高校を卒業後、俺は難関だと言われているボストンの大学へ進学した。
 子どものころから家業を継ぎたいと思っていたので、経営学をみっちりと学びたかったのだ。
 MBAの学位取得のため、ビジネススクールでの勉強も二年間あるから、それを含めるとアメリカ生活は六年の予定になる。

 半年後に帰国を控えたある日、日本から語学留学生が来ていると聞いた。
 大学生が春休みを利用して短期留学してきたらしく、翠々はその中のひとりだった。

「はじめまして。白川翠々です。四月から大学三年で、年齢は二十歳(はたち)です」

 恥ずかしそうに頬を染めながら自己紹介をする翠々は清楚でかわいくて、俺は一瞬で目を奪われてしまう。

「はじめまして。鳴宮琉輝です。ビジネススクールに通ってる二十四歳」

「うわぁ、大人っぽいはずですよね。私より四歳も年上ですもんね」

 四歳年上の男は彼女にとってアリなのかナシなのか。
 緊張しながら愛想笑いを浮かべているその表情からは本心を読み取れない。


「交流会でバーベキューするらしいぞ。琉輝も一緒に行こ!」

 俺が特定の女の子と仲良くしたがっているのが珍しいのか、同じビジネススクールで学んでいる壮太(そうた)が妙に乗り気で誘ってきた。

「翠々ちゃんと仲良くなれるチャンスじゃん」

“翠々ちゃん”なんて気安く呼ぶなよと、つい口にしそうになった。
 壮太はいいヤツだが、驚くほど節操がない。

「そうだな。俺が行かないとお前が彼女の周りをうろちょろするだろ」

「けっこうマジなんだな。へぇ、琉輝がねぇ……」

「絶対手を出すなよ」

 わかりやすく強めに釘を刺したところ、壮太にはガハハと大声で爆笑された。無礼なヤツだ。

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