五月の呟き
納屋の梅干しがいい頃合い




眠りにつく前の僕と
目覚めた僕は
本当に同一人物?

その証拠は
どこにも存在していない



いつかもし
今この瞬間の僕が
明日の朝には
全く別の
僕になっていても
僕はきっと気付かない

もしかしたら
今も気付いていない


それがもし
わからないままに流れる
時のせいだとしたら


僕はその真実を
どこから見つけだせば
いいんだろう?



だってもし
それが台所の
納屋の一番下の
梅干しが漬けてある瓶の
下に敷いた新聞紙に
書かれている
一文字だとしたら…


僕はきっと
いつまでもその真実を
見つけられないだろう



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