財閥御曹司とお見合い偽装結婚。
三十分後には、昔から宝船家で懇意にしている百貨店の外商員が訪ねてきて色打掛などを試着させてくれた。
最初は、ゴールド地に手縫刺繍で四季の花々や松竹梅が施され背中には大きなリボンを思わせる熨斗文様が素敵な色掛け。
二着目は、はっきりしたレモンイエローに赤やピンクの花が咲く可憐な一着でボタンなどの大ぶりの花文様がある可愛らしいものだ。
三着目は、薄紫から白へのグラデーションが美しい打ち掛けで抜け感のある柄の配置もおしゃれで絶妙な色合いから放たれる繊細な美しさにうっとりしてしまうほどのものだ。
これはやっと私に意見を聞いてくださった中で翠翔さんにもオッケーしていただいたものだ。