財閥御曹司とお見合い偽装結婚。

 
 ――そして、時は流れ。


「えー……本日は誠におめでとうございます」

「ありがとうございます」


 二人で軽く頭を下げ、頭を上げて微笑む。するとフラッシュがたかれ始めた。

 ここは、宝船グループのホテルにある大ホール。今日は、貸切をして私と翠翔さんの結婚会見の日だ。
 ホール内にはたくさんの報道陣が埋め尽くされていてカメラは私たちを見ていて……緊張しっぱなしだ。
 私は、この前選んだ薄紫色の有識文様の菊立涌が織りなされている優しい色合いの色掛けを着ていて翠翔さんは私に合わせて和装をしている。まるで今からでも結婚式が出来ちゃいそうな服装。
 フラッシュに当てられ翠翔さんが話をしている中、私はリハーサル通りに隣で微笑む。


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