財閥御曹司とお見合い偽装結婚。



「よかったね、榛名兄さま。おめでとう、これで安泰だね」

「ありがとう、采羽。また、挨拶に来ると言ってたからよろしく」

「うん。これから色々準備で忙しいし大変だよね。無理はしちゃダメだよ」

「そうだな。ありがとう……ごちそうさまでした」


 お兄様を見送りながら私はお皿の片付けをしてから自分の部屋に戻った。
 榛名兄様が決まったってことは次は優羽斗兄様の番だよね……きっとすぐに決まっちゃうんだろうなぁと布団に寝転がりながら考える。

 だが、その翌日その考えは覆されることになるのだけど今の私はそんなこと思いもつかなかった。



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