野いちご学園 逆ハーアイドル寮
眠り王子を夢の世界へ







その日から、野いちご学園高等部内が一変しちゃいました。



「ねぇねぇ、聞いた?」


「総長さま率いるミスターコンテスト上位の王子様たちが、アイドル選手権に出るってやつでしょ?」



私が秘密を洩らしたせいで、あっという間にうわさは広がり



「私たちも協力できることはないかな?」


「野いちご学園の生徒みんなで支えて、最優秀賞を勝ち取ってきてもらおうじゃないか!」


「オー!」


生徒の皆さんが、お祭りモードに。



「ミスターコンの1位から3位がいるなら、4位の『蓮見(はすみ)直月(なつき)くん』もアイドルやって欲しいよね」


「うちらで、風紀委員の部屋に乗りこんで説得しよう!」



生徒たちの願望が、巨大トルネードとなって直月くんに襲い掛かり



「……わかった。僕もアイドルをやるから」



直月くんは、しぶしぶ折れてくれたんだとか。

真面目で誠実な人だから、多くの生徒の期待を無下にはできなかったんだと思う。

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