晴れない空の恋心
その時だった。

「邪魔よ!」

「痛っ、」

誰かに押された、いやもう相手は分かりきっていた。香菜先輩…

「ちょっとその態度、先輩だからって許されることじゃないですよ!」

遊が香菜先輩に反抗する。

「何、僕?笑ヒーロー気取ってんの?笑」

「はぁ?」

「遊、大丈夫だから。」

続けて未那も言う。

「いやよくないでしょ遊もっといけ!」

「私は忙しいの!あんたらと遊んでる時間なんてないんだから!」

そういうと、香菜先輩は二葉くんのところに走っていった。

「二葉!もう、一緒に行こって言ったのにぃ」

「用事あるから無理って言ったでしょ。」

そんな会話が聞こえてきた。

「でも_________」

そんな時、会話がかき消された。上を向くと、遊が耳を塞いでくれていた。

『聞くな。』

そう、口パクで言っているように感じた。チラッと未那をみると、何やらニヤニヤしている。

「もう平気。」

2人の会話が聞こえなくなったのか、遊が手を外してくれた。

「ありがと。」

素直にお礼を言う。
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