Dr.luce
おかしな家族
救急科での研修を一週間もすると、救急の忙しさにルーチェたちは慣れてきた。とは言え、一花やクラルのように的確な処置をすることはできず、毎日学ぶことが多い。

「ふぅ……」

先程の一花とクラルの処置の様子を思い出しながら、ルーチェはメモ帳に処置の手順などを書いていく。あの二人のような処置ができるまで自分は何年かかるだろうか、そう考えるとため息が出てしまう。

「ルーチェ、お疲れ様!」

「ここ、座っていいか?」

アーサーとティムがルーチェに声を掛ける。ルーチェは「うん。いいよ」と言いながらテーブルの上に広げていた参考書などを片付けた。

救急車がひっきりなしにやって来るため、ルーチェたちが休憩に入ることができたのは午後二時を過ぎた頃だった。お昼には遅い時間である。

「お前、ちゃんと飯食ったのか?メモばっかしてたら時間なくなるぞ」

サンドイッチを頬張りながらアーサーが言う。ティムも「休める時に休まないと」と心配そうに言い、ルーチェはようやくメモ帳を閉じた。
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